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あってはならない、否定できない可能性――最悪の終末。
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#17
【IF Another despair】 Full Attention Miscalculation

此処は我等が"教団"本部。近代的な合理的守備配置に現代的なセキュリティシステム。
正に金城湯池と言った鉄壁の防衛である。侵攻はおろか潜入すら許さないその構え。
変装の名人やダンボールを被る達人を除けば、人間業では不可能であろう。
そして、俺は司令室の隣、総合通信室から施設を随時監視しているのだ。
"宗主"の暴力さえ無ければ、世界で一番安全な所と言っても過言じゃない。
なんてったって、隣の部屋に"宗主"がいるんだからな。

おっと電波障害だろうか。カメラが写らなくなった。まあゴースト多いから有り得るよな。

おっとカメラが写った。門番が皆死んでいる。侵入者…じゃないか。人影一つだし。

廊下や建物のカメラまで…何てこった。故障の線も考えないとな。

あれ…何で歩哨が皆倒れて…?誰だよもう…処理も大変なんだぜ?また清掃班呼ばないと。

"宗主"の機嫌が悪いんだろうか。今日は…今日もか。粗相の無いようにしよう。

段々とデスクに近づいて来る。"宗主"か"銅"或いは"道化"。最近現れた"嵐公女"か。

目に入るもの片っ端から潰してる感じだなぁ…容赦ないっつか、キレてんのかな。機嫌悪いなぁ。

うわぁもうここに近いじゃん。頼むから素通りしてくれ。バンバンって発砲すんなよクソ警備。

機嫌悪くなるだろう。グチャッって音聞こえたー。何だよもう…今日も厄日だ…。

あぁ。此処の扉開いた…。あぁもう神様仏様宗主様。彼は必要な人材だ。とかって止めてくれー。

はいはいなんですか?向こうの扉の鍵?私の網膜と指紋ですが。何でアナタ持ってないんですか。


は…侵入者ですか――――








===============Unnegotiatalbe===============


最寄の警備兵の頭と腕部を切り取り、鮮血を滴らせながら徘徊する"災厄"
むせ返る生暖かい肉と血の匂いを気に留める事も無く扉を開かせる。

その奥には、座りながらモニタを眺める"宗主"の姿があった。

―出回っている情報によると"イド""銅"だったか?"嵐公女"なんてのもいるらしいが。
"百夜"の斥候によれば、各自が作戦遂行中で、各戦場へ散っているらしい。

つまり今、この男はがら空きだ。―

扉を進み、その奥へ歩を進める。奇襲は――無い。
"男"のデスクはモニタ以外の光も嗜好も、生活感すら無く虚無に近い。
広さも遮蔽物も適当。戦争するには不十分だが、何、『戦淘』なら充分だ。

「お久しぶりです。」

唐突に口を開いた。久しぶりに旧友に会ったかのような軽い口ぶりで。
目は…合わせない。姿勢も変えようとはしない。まだ余裕なのか。
もう一歩。さらに一歩。今まで一歩単位で距離を意識した事は無い。

「ちょっと忙しいので、後にしてもらえますか。そのまま踵を返してくれれば良い。」

―足が、止まった。
ここから交渉の始まり。つまり戦いの始まりだ。絶対に勝つ。
この過剰な動悸と、不必要な流汗は邪魔…落ち着け。落ち着く。

「単刀直入に言う。"教団"を放棄、解散し、鎌倉の支配を終了しろ。」

「………聞こえませんでしたか?」

小声だが確実に通る声、悪魔の囁きのような声で制す。口元に薄い笑みを浮かべながら。
そのまま大様に立ち上がり、初めて此方を向いた。これで体勢としては五分。

なのになんだ。この疲労は。なんだ。この緊張は。
何故なんだ。俺のこの戦慄と不安は。―一体なんなんだ。奴のあの体躯は…。

…詠唱銀中毒なのか、鈍色の半身を晒している。肉体と詠唱兵器の境界が曖昧だ。
コントロールは可能なのか。なるほど戦闘モードと言う訳だ。
戦闘能力はどうなる。予測としては…上昇。それも爆発的に。
人間、能力者…そんなカテゴリーじゃない。
無駄な感性を用いるとすれば、こいつは正に"醜悪"の体現…。

そのままゆっくりこっちへ来る。…後5歩
万が一…話すら通じない相手なら…後4歩
完全な…誤算…やるしかない…。…後3歩

「…で、用件は?先ほどの戯言は、交渉術の一つでしょう?」
「…」
「貴方の好きな手だ。不可能な事、不合理な事を言って、相手の妥協上限を上げる」
「……」
「放棄や解散など飲ますつもりは毛頭無い。第一、私を殺せば一番合理的なはずだ。」
「………」
「では、聞きましょう。貴方の要求と提案は何だ。」
「………alright..」       …後2歩

完全にイニシアチブを奪われた。舌戦では完敗。
そもそも使う舌と言葉の持つ価値は三割程度。残りは支配率や貫禄で決まる。
敵地だと言う事、この組織の"宗主"だと言う事、此方を知っていると言う事。
何より侮っていた。彼が現状で最強最悪の存在であると言う事。


「…レギオンを…よこせ。」
「…は?」

「アンタに『軍団』の運用は無理だ。所詮『公安』程度の統率力しか持ち合わせてない。」
「…あぁ。好きでしたね。貴方。指揮官ごっこ。」

「ハンニバル。チューザレ。シャーマン。こいつ等とアンタの決定的な違い。」
「…大体、貴方にレギオンを動かせる道理が無い。」

「ロペスピエールやスッラ、ジンギスとアンタの根本的な差異。」
「…よしんば動かせたとしても、使わせる価値は今の貴方には無い。返答は…」

「畏怖と恐怖は別だ。その程度の分別は付くよな。"宗主"サマ?」
「NOだ。話は終わりました。」

―後1歩

「Well..Well..Alright...」「交渉は…」

―ゼロ。

「BreakDown!」
「決裂だ!!」


"災厄"と"最悪"、点火(Ignition)



===============Fisticuff===============


個の戦闘力の違いは歴然である。が、抗う術が無い訳ではない。
両者の戦闘開始と同時に"教団"内に散発的に、少数ではあるがゴースト群が発生する。
しかも不思議な事に、教団兵を認めても殺めず、まるで牽制するかのように距離を縮めるのみである。
何故少数か。何故牽制か。例えばその本陣に「戦力と指揮を集中」させているとしたら…。

最深部の部屋から弾け飛びながら打ち合う二つのモノ。
"宗主"単体でも建物崩壊程度なら容易に行える。だが、気にして暴力を振るうのは煩わしい。
"白夜"とて無限のゴーストを一つの家屋内に展開させる事は出来る。だが、非合理的。
不思議と二つの意図は合致し、天災程度の衝撃をぶつけ合いながら、中庭へ向かう。

深層を抜け、装備用倉庫、管理室やその他の施設を抜け、渡り廊下へ。
もちろん出くわした災難な犠牲者は認識される事すら叶わず、原型を留めない有機物になる。
災厄が逃げ、最悪が追う形になりながら、何合も打ち合っている。

だが、やはり二つのモノの原型の差か―或いは能力そのモノの差か―接近戦に長けるのは"宗主"。
金を朱に変え、銀を紅に変えながらの遁走は、血漿を撒き散らしながらの強行軍となる。

「さぁ、この程度で死なないで欲しいものだ!」

言葉とは裏腹に無茶苦茶な振り被りからの容赦ない薙ぎ払い。単純な動作故に凶悪。
能力者同士ならまだ回避、防御、反撃。様々な反応がある。だがその"薙ぎ"は言うなれば隕石の到来。
格闘技能一切を否定する猛攻に対し、能動的な選択肢は無い。
そのまま叩き付けられた災厄は、廊下のガラス、外壁悉くを貫き、敷地内の広大な庭に墜落した。

殆どしていない努力も空しく、廊下の破壊により先の設備がバランスを失い一角が崩れた。
数刻の後、粉塵と瓦礫と化した庭―もはや近現代の戦場―を一瞥した"宗主"は忌々しそうに歩を進めた。

斜陽の空が赤く燃え、その光を反射しながら打ち下ろされる戦鎚。建物の残骸が吹き飛ぶ。
瓦礫を粉砕、掘削。大掛かりな土木作業のようだが仕手人は一人。"宗主"の手である。
彼をもって此処までの仕事をさせる、災厄の安否にそれほどの価値があるのだろうか。
それほどの時間をかけずに"整地"は終了。が、数多き屍の中にそれを見つける事は―出来ない。

「―これが我が逃走経路だ。―って、何処かの誰かも言ってたろ?」

"宗主"が後ろから"白夜"を捉える。どうやら彼が懸念―と言うよりも失望―していたものは間違いだったようだ。
憮然とした表情。焦燥も疲労も見えず。先ほどまで臓物をぶちまけんばかりだった負傷はほとんどゼロ。
血糊はこびり付いているが出血も塞がっている。どうやら軍隊のように迅速な自己修復が可能らしい。
考えれば当然である。一撃一撃が必殺の"宗主"の暴力を凌ぎきり、ここまで逃走してきたのだから。

「狭路では粘り強い防戦が上策。広野では大戦力による会戦がそれ。つまり…こうだ。」

彼の元に集まる"百夜"。有象無象、魑魅魍魎。その数が2秒で100を越えた所で、宗主は数えるのを止めた。
どの程度が"白夜"の能力限界か。もちろん限界なんて無い、無限の軍勢なのかも知れないが、見極めようと。
時を置くたび二次関数的に敵軍勢は増えるが、対した脅威は感じない。"宗主"に数の論理は適用されない。

死者を纏めるのは一つの意志。損得や欲望が存在しない亡者を指向性の在る存在へ向かわせるモノ。
彼もまた一つの意志に支配されたモノでしかない。が、彼の意志は彼以外の無数の意思をも支配する。


が、火蓋を切って落としたのは"白夜"の方だった。

統率者率いる百夜、正面からの進軍。一歩一歩踏みしめる。
それに合わせて鎚をゆっくり仰ぐ。余裕と…数の論理を軽視する嘲笑を表情に。

「こいつらの使い勝手は人間なんか比じゃない。死の恐怖も欲からの暴走も無いんだからな。」

不意に宗主の左後方から百夜の別働隊、その数五十。銀の鎚は一瞬で捉え、軍勢ごと一撃で粉砕する。
続いて右後方から大型のゴースト群。全てリビングデッド。波状の襲撃に対し鎚で為し。徒手で成す。最早殺戮である。
飛び散る血と骨と肉が視界を塞ぐ。警戒するは次の襲撃、前後左右を凝視する宗主の顔は高揚と喜悦で歪んでいる。

――次の襲撃は空(ウエ)から。白兵の会戦に於いては奇策中の奇策であり、その実例自体も稀有である。

次々と襲撃する百夜。飛来するリリスや鳥型のゴースト等様々。中には空から召喚されたカミカゼタイプもある。
呼応するかのように、左右からの―先ほど全滅の憂き目に会ったハズの―ゴースト連隊が車懸を仕掛けてくる。

軍隊ではなく、軍勢。高度な戦術と完璧な統率。その実行の際の混沌かつ秩序だった戦法。
ゴースト達の呪詛、怨念、悔恨の入り混じる悲鳴と咆哮を行進曲(マーチ)にして。


―正面本隊、吶喊。全方位による完全包囲。決着(チェックメイト)


「…で、この程度で何がしたいんですか?」


時間にして凡そ7秒。距離にして34メートル。
正面を抜いた訳ではない。『彼に向かった全ての百夜を潰した』上で、宗主は白夜を破った。

―空からの襲撃は自らに当たらぬ限り無視。
襲撃成功者は指先が触れる直前に瞬殺…1秒
左右からの挟撃は後方回避。同時に銀色の弾丸の暴雨による洗礼。
原型を留めた者、皆無…3秒
正面群は一薙ぎ。死体として残る事、肢体を撒き散らす事すら叶わず。
粉微塵となり詠唱銀へ…5秒
統率者へ反攻。進路上へ幾重にも召喚される百夜。その全てを無に帰す。
血煙と骨肉を咲き乱しながら…6秒

「貴方は私の『騎士』(ナイト)だ………………跪け。」
"驀進たる一撃(ロケットスマッシュ)"炸裂…計7秒―

まるで達磨落し。下半身を吹っ飛ばされた白夜はその場で崩れ、悠然と見下ろす宗主が在る。
これほど分かり易い結末。これほど呆気ない終演。これほど圧倒的な力の差。

災厄という、世界に対しての絶望的な暴力ですら最悪の前ではかくも無力なものなのか。
―そもそも世界に対して『もまた』絶望的な暴力であるモノの前では格が違ったのかもしれない―

「……アンタが俺を斃るか、白夜が教団を鏖るか。どっちが早いか試すか?」

だが、腐っても白夜。戦略的勝利は収めている。施設内の全箇所に百夜は居て、全兵士を捉えている。
つまり『百夜は既に、組織としての"教団"を人質に取っている。』―戦略が…理が彼の者に通用すれば。だが―

「お好きなように。」

動揺も憤慨も何もない。ただ「砂のお城を潰すぞ。」と言われたかのような対応。消耗品以下を失う程度の意識。
思えばこの襲撃自体が誤算だったのだが、最後のそれは特に印象的だった。

故に完全敗北。救い様の無い。弁解の余地も無い。完全なる敗北


――???・エリア "教団"敷地内  "宗主" vs "白夜" 勝者"宗主"



===============Capitulation===============


嵐の"後"の静けさ。血溜りを作りながら足掻く事もせず、忌々しげに睨み付ける"白夜"
それを虫けらを見るかのように、服の乱れを直しながら悠然と見下ろす"宗主"
誰が見ようが、何が起こりどうなったかが一目瞭然のこの状況。そしてその結末までも。
銀の鎚を振りかぶり、その先を向けて勝利宣言。その後ゆっくりと口を開き…。

「…ほぅ。ほんのちょっぴりですが力を入れました。それでも『死なない』のは流石…ですか。」
「―ッハ…づ…ば…!ッガハ………ハァハァ…。」

表情は変えてないはずだが、その声から驚きの色が見える。それを口に出す事が動かぬ証拠。
実際、一撃の下に沈み逝くはずの白夜は、グロテスクなほど驚異的な速度で回復していく。
回復…と言えば聞こえは良い。厳密には『体組織の代替』である。
軍隊の消耗をいち早く補完するシステム―戦死者の代替に常に新兵が補充されるシステム―
兵站(ロジスティクス)と呼ばれる『軍』の根幹。それを身をもって発現させている。

「…ハァ…ッペ…俺に…勝つ事は容易だろうが…俺を殺しきるには骨が折れるぞ?」

砕かれた骨、破れた肉、潰れた臓腑、流れ出した血、それら全てが取り替わる。
傷口に百夜が取り込まれ贄となる。一応の補完をされた体組織は程なくして馴染んでゆく。
戦闘力はもちろん、災害の称号を得るために必要なものはそのとんでもない影響力。
白夜を斃すには、百夜共々殺しつくさなければならないのだ。

血溜りやぶちまけられた体の残骸をよそに"白夜"の回復が完了する。
やれやれとため息をつくしぐさと共に、鎚を返し…殴り飛ばす。

吹っ飛ぶ。殴りつける。吹っ飛ぶ。殴りつける。飛ぶ。殴る。飛ぶ。殴る。
血反吐を吐きながら倒れる。嬲る。また骨肉を巻き散らかしながら吹き飛ぶ。

だが、殺せない。

無感情に淡々と何度も叩き、壊し、潰し、抉り、それでも『殺せず』
面白くない作業のように繰り返した後、飽きたのだろうか。その行為を止め。

「なるほど。これは頑丈だ。…貴方を殺すのは少々面倒だ。


――では、あの店…なんと言いましたか。貴方の大事な拠り所を破壊しましょう。」

奇しくもそこは噂のサイレントゾーンの一角だと言う事。
今まで"白夜"存在の噂すら流れてなかった事。
にも関わらず"白夜"が生存、カマクラ内にて活動していたと言う事。
"宗主"以外…白夜を認めた者以外は辿りつくハズのない答えを、"宗主"が見つけた。


よろよろと歩いて来たのは、教団内にいたある小隊の面々。
皆一様に震え、顔は怯えきり、わが身可愛さから、有り得ないモノに救いを求めている。

「宗主様…た…たたた助けてえいいやああぎゃがあああああああぁぁ………」

苦痛と恐怖に歪んだ顔が、見せ付けるためだけに行われたかのような残酷な速度で潰れる。
身の程を弁えぬ無礼者に対する粛清。ではない。仕手人は"白夜"。テロリストと同じ手段。

「今から三秒で、"教団"内の全員をこいつらと同じ目に遭わせることが出来る。」

組織のない主に主としての価値は無い。本来なら至上の脅迫。そして"宗主"には殆ど無意味。
だが『彼の場所を守る。』そのための手段として教団を崩壊させるならそれは意味を持つ。

「要求は二つ。レギオンをよこせ。そして、俺と俺に関する全てに手を出すな。」

正直な所、白夜はこれを交渉と見てなかった。『ハルノート』クラスの要求である。
つまりはただの宣戦布告。"宗主"に選択の余地を与える事で一瞬でも隙を生むつもりだった。
鎚が一瞬でも此方側に向けば百夜達に虐殺を命じる気でいたし、自らも一矢報いる気でいた。
が、その当然の殺意と敵意に晒されながら、それは意外な答えを齎した。

「…貴方が"教団"に帰順するなら構いません。もう一度私の『騎士』になるなら、ですが。」

災害に対し、自らの組織を全滅させうる脅威に対し、登用を試みる"宗主"
教団壊滅の憂き目と白夜の殲滅を天秤にかけたか。或いは純粋に有用だと判断したからか。

「正直に言うとね。面倒なんですよ。私自らが『あなた方』を壊しに行かなければならないですから。
今の私は忙しくて、教団を作り直す時間も貴方を斃してる時間も無いので。」

動機を淡々を述べる。嘘か真かは定かでなく、さして重要ではない。
白夜にとって今取りうる最良の選択肢は、それ以外に無いのだから。





「…で?何をすれば良い?昔みたいに気軽に『人を遣う』事は出来ないんだが?」
「貴方一人で『一戦略単位』として、教団のためになる事をして頂ければ結構です。」

半壊した教団施設を抜け、"宗主"のデスクへ。治療…と言うより服飾等の体裁を整える。
その特性上、他人と共に行動する事が不可能なため、こうして破格の待遇なのだが。
代替された肉体は馴染むまで時間がかかる。そのために肢体を包帯で隠す。
重傷者と言うにはあまりにもファッション性に富んだそれは『透明人間』のようであり…。

「戦略単位で遊撃しろと?ハッ。目標を固定せず自由意志に任せて、どうなっても知らんぞ?」
「ええ。少なくとも私にとって不利は無いはずだ。『あなた方』にとっても…ですが。」

フン。と、納得と侮蔑の混濁した返事を返すと、白夜は教団を後にした。
もちろん、その時に出くわした兵士は『いない。』それを知るものは"宗主"のみ
彼はモニタから結果としての惨状を覗き、"白夜"の苛烈な出撃を見届け

――鮫のように、笑った。
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